メインコンテンツへスキップ
  1. 研究/

涙眼鏡

Emotion Embodied Cognition Design CHI 2021
目次
擬似的な落涙はあなたとその周囲の人を悲しくする

30秒プレビュー映像 プレゼン映像

About>

About #

情動伝染とは、他者の感情表現の観測を通して無意識の内に感情が周囲に伝わっていく現象である。本研究では、人工的な身体変化(擬似的な涙)を利用して情動伝染を誘発することで、感情を媒介する方法を提案する。落涙に着目した理由は、悲しみ以外にもいくつかの感情との関連性があることや、他者から観測可能な身体変化であり情動伝染を誘発することが期待されるためである。そして、目の近くで水滴を放出する眼鏡型の装置「涙眼鏡」を設計した。水滴は頬を伝って流れ落ち、本物の涙を模倣する。実験を通して、擬似涙によって装置の着用者と周囲にいる擬似涙の観測者の両方で悲しみが増大することが明らかになった。さらに、擬似涙は観測者の幸福感やポジティブ感情を減衰させることも明らかになった。これらの結果から、情動伝染には実際の身体の変化は必要なく、人工的な身体の変化でも十分であることがわかった。

Theories of Emotions>

Theories of Emotions #

私たちが感情を知覚するメカニズムに関して、これまで様々な理論が提唱・議論されてきた。これらの理論に共通している点は、自分自身の身体変化を認識することで感情が引き起こされるという考え方である。

さらに、他者の身体変化も感情に影響を与えることがわかっている。(上で説明したように)感情が無意識の内に瞬時に伝搬していく現象を情動伝染と言う。情動伝染は他者の身体変化や感情表出を観測することで引き起こされる。

こうした感情に関する理論のもと、他者の人工的な身体変化(本研究では擬似涙)によって、身体変化を提示された人物だけでなく、それを観測した周囲の人物の感情体験を同時に生起することを思いついた。

Design of Teardrop Glasses>

Design of Teardrop Glasses #

本研究では、情動伝染の引き金として落涙に着目し、眼鏡型のウェアラブル装置「涙眼鏡」を設計した。装置から目元に垂らした水滴が、装着者の頬を流れ落ち、落涙を再現する。

Publications>

Publications #

  • Shigeo Yoshida, Takuji Narumi, Tomohiro Tanikawa, Hideaki Kuzuoka, and Michitaka Hirose. 2021. Teardrop Glasses: Pseudo Tears Induce Sadness in You and Those Around You. In CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI ’21), May 8–13, 2021, Yokohama, Japan. ACM, New York, NY, USA, 14 pages. https://doi.org/10.1145/3411764.3445741

  • Yu Liang, Kazuma Shimokawa, Shigeo Yoshida, Eriko Sugimori. 2020. What “Tears” Remind Us of: An Investigation of Embodied Cognition and Schizotypal Personality Trait Using Pencil and Teardrop Glasses, Frontiers in Psychology, Vol.10, Jan. 2020. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2019.02826

  • 猪石有希、吉田成朗、谷川智洋、寺澤悠理、梅田聡:流涙が情動表出と抑制機能に与える効果―涙眼鏡を用いた検討―、第37回日本生理心理学会大会、2019年5月

Awards and Honors>

Awards and Honors #

Downloads>

Downloads #

本ページに掲載されている論文・発表スライド・映像は、クリエイティブ・コモンズの以下の条件のもとで使用することができます。 Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International (CC BY-NC-ND 4.0) https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/

論文(9.4MB) 30秒プレビュー映像(58.8MB) プレゼンスライド(13.7MB)

Acknowledgements>

Acknowledgements #

本研究はJSPS科研費JP14J09015、および、JP16K12471の助成を受けたものです。

Related Projects #

FaceShare
Emotion Embodied Cognition Video Chat Computer Mediated Communication CHI 2017
Smart Face
Emotion Embodied Cognition Video Chat Computer Mediated Communication CSCW 2014
扇情的な鏡
Emotion Embodied Cognition Design AH SIGGRAPH 2013