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  1. 研究/

Fingeret

MR Haptics SUI 2022
目次
複合現実(MR)環境のための指腹完全開放型ウェアラブル触覚提示デバイス

詳しくは、 第一著者のwebページをご覧ください。

映像はこちらの webページの補足資料をご確認ください。

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About #

リアルとバーチャルが融合する複合現実(Mixed Reality; MR)環境では、現実空間のオブジェクトとバーチャル空間にあるオブジェクトとのシームレスなインタラクションが求められます。 複合現実環境において指への触覚フィードバックを実現する上では、現実空間のオブジェクトの操作やそれを操作しながらの触覚提示を妨げないように、指先の内側を覆わずに実現する必要があります。 しかし、従来の触覚提示デバイスでは、そのような現実空間でのインタラクションを妨げることなく、広範囲の触覚フィードバックを提供することができません。

本研究では、現実空間とバーチャル空間におけるシームレスなインタラクションと幅広い触覚フィードバックを可能にする「完全指腹開放型」の触覚提示デバイス「Fingeret」を提案します。 Fingeretは、新たに開発した指側面用アクチュエータ(以下、FSA)で指先の内側を覆うことなく触覚提示ができるとともに、従来の指爪用アクチュエータ(FNA)を組み合わせることで、幅広い触覚フィードバックを与えることができます。

Principle>

Principle #

FSAの触覚刺激は、下の図に示すように、指側面のローラーを内回転させると、指側面が引っ張られ、指腹が物体に接触しているように変形します。 一方、指側のローラーを外回転させると、指側が押され、指腹が物体から解放されたように変形します。 ローラーの回転方向と回転時間を制御することで、キーボードなどのスイッチを押したときの感覚や、凹凸のある物体をなでたときの感覚のような皮膚振動を発生させることを狙いとしています。

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Application #

複合現実環境におけるFingeretの利用シーンとして、以下のようなアプリケーションを想定しています。 例えば、分子設計におけるシームレスなインタラクション。 ここでは、ユーザーは分子設計を行う際に常にFingeretを装着しています。

  • A. タブレット端末でメモアプリを起動し、ペンで分子式を書き込む。

  • B. インターネット上で分子式を検索する。

  • C. 空間認識ディスプレイに搭載されたハンドトラッキングシステムにより、投影された分子を手でつまんで分子をデザインする。

ペンやタブレットの操作を妨げることなく触覚情報を付与できるとともに、デバイスを変更することなくバーチャルオブジェクト操作時の触覚提示も可能にしています。

Publications>

Publications #

  • Tomosuke Maeda, Shigeo Yoshida, Takaki Murakami, Kenroh Matsuda, Tomohiro Tanikawa, and Hiroyuki Sakai. 2022. Fingeret: A Wearable Fingerpad-Free Haptic Device for Mixed Reality. In Symposium on Spatial User Interaction (SUI ‘22). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 3, 1–10. https://doi.org/10.1145/3565970.3567703